児童書なんですが、題名に惹かれて読んでみました。
大人の本と違って一人ひとりの人間模様に細かく入って行く事なく大事な要点だけに焦点を照らした読みやすく面白い本でした。
【あらすじ】
中学に入学したばかりの主人公「優菜」のおばぁちゃん「幸」が76歳にして夜間中学に通い始めます。
戦争時代、家族の世話に忙しく生きていく事に精一杯だったおばぁちゃんは学校に通えず、読み書きができないまま大人になります。
読み書きができない事を隠し、夫である「おじいちゃん」に助けながら生活していたのですが、そのおじいちゃんも他界し、おばちゃんは学校に通う事を決意します。
おばぁちゃんが学校に通う事を家族に話すと息子である優菜のお父さんは反対します。
優菜のお母さんや優菜は賛成するのですが、お父さんの「おばあちゃんが学校に行く事はあまり外で話さない方が良い」と言われ、優菜は反発を覚えるのですが、
優菜自身、友達におばあちゃんが夜間中学に通う事を話すのをためらった時、「おばあちゃんが気の毒がられたり、おかしいと思われたらヤダな」と思います。
その時初めて、お父さんの「外で言わない方が良い」という言葉の意味を理解します。
この場面が、「あぁ、いいとこつくな」と思いました。
人と違う何かを人に話した時の反応がめんどくさかったり、どう反応するか分からなくて話すか迷ったり、何かを始める時の壁ってこういうとこなんだなと思いました。
そして、おばあちゃんの付き添いで通い始めた夜間中学で、昼間と夜間の違いに驚きつつ「学ぶってこういう事なんだな」と実感します。
その実感する幾つかの出来事や、生徒事情が面白くて共感できるとこもあり、あっという間に読んでしまいました。
今何かを始めようとして躊躇してる方にお勧めの一冊です^^