予告見た時から、絶対見ようと思ってた作品。
草彅くんて、人生しょってる役本当に上手だよね。
本人はそんな風に見えないのに、すごく役が合う。
邦画をほとんど見ないのですが、これは本当に良い作品でした。
作品の雰囲気や作りが、あまり大劇場向けではなくシネリーブル系の哀愁ある感じの映画だったので、これだけ色んな映画館でやっているのが草彅くんの知名度だなと思いました。
トランスジェンダーの人からしたら、「描写が甘いわ!」とか「現実はこんなんじゃないわよ」と思うかも知れませんが、共演俳優の吉村界人くんがインスタでこんな文章を載せてました。
(本人インスタグラムより)
「色々あると思いますが、
このやり方が、今の日本には大事な気がしました。」
私は、この文章を読んで先進国の中でも性差について遅れている日本では、ちょうど良い重さではないか、と思いました。
残酷過ぎてもリアル過ぎても受け入れづらく、大切なのは、そういった人たちとどう共存していくかって事が映画のメッセージのような気がしました。
「そういった人たち」とは、マイノリティに属する全ての人達に共通する事だと思います。
バレエ教室の先生が、トランスジェンダーの凪沙(草彅くん)に思わず、「お母さん」と呼び掛けてしまうシーンがあるのですが、こんな風に相手が誰であろうと「普通に」「誰とも変わりなく」接する事の大切さを痛感します。
特別な目で見られたり、相手が絶句するような顔をされる事に、とても傷ついて怯えてしまう経験をたくさんして来た人たちにとって、普通に接してもらう事ほど癒される事はないでしょう。
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友達が、「おかまとかニューハーフとか言ってるシーンあるけど、あんなの本当に失礼だよね。日本人は、テレビに出てる人に慣れてしまってるよね」と言ってたのですが、これをネタにしていいのは本人だけだと思います。
エガちゃんもこの映画観たらしく、「2丁目のやつらがさ、ショーでめっちゃ爆笑をおこすわけ。でも、俺この映画観たら、もうあいつらの事笑えなくなったよ」って言ってました。
みんな色んな事しょってるって気づいちゃったよね。
体の不一致の場合は、体を維持するお金も相当なもんって分かったしね。
結論や結果を描きすぎていない分、想像力が必要な映画になってます。
この映画、絶対賞取ってほしいな。
こういうのが「映画」っていうんだと思う。