サザエさんのワカメちゃんのモデルと言われている 長谷川たかこさんは、現在パリに在住です。
(サザエさんの作者長谷川町子さんの妹さんの娘さんです。作者から見たら姪っ子)
たかこさんは、上智大学の仏文科を出て23歳で結婚して、別れて(離婚経験があるんですね。知らなかった)フランスに住み始めて2年目に今の旦那さん(フランス人)と出会ったそうです。
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何冊か本を出されているのですが、こちらがエッセイでは一番新刊ではないかと思います。
長谷川さんの「フランスにもイケすかんオヤジはいるし、良い面もあれば『なんだこれ?』なこともあるわよ。外国だもの」という、どの有名パリ在住者の本にはないスタンスがすごく面白くてついつい読んでしまいます。
長谷川さんは、パリ在住歴が長いので「自分はもう、日本の日本人とは違うし、フランスでは永久に移民だ。2つの国の間に宙ぶらりん・・・」(P185)と言います。
でも、「だけど、その状態を居心地悪いとは感じない。2つの文化に触れ、2倍楽しめる!」(P185)と前向きです。
私が、長谷川さんに惹かれる理由が最後の文章で分かりました。
「日本が母国なら、フランスは私の父国という気がする。そこで生まれたわけではないけど、受け入れてくれた国。そして当たり前のことだけど、私は”父”も”母”も好きで、必要なのだ。」(P222)
すごぉ~くうまく表現されるなと感動しました(笑)
母国って「母」がつくから「産まれる」って意味があるんですね。
でも、父だって子を育てるわけだから父国だってあって当然。
外国で暮らした者こそが分かる表現だなと思いました。
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こんなご時世だから、日本には当分来れないでしょうが、長谷川さんのパリ暮らしはブログからご覧になれます。