自閉症の息子と年老いた母の物語です。
予告を見たときから「観たい!」と思ってました。
この映画は全てがきれいに問題解決されて終わりません。
障害者への理解は、地域や役所からはもらえません。
互いにすれ違ったまま、何も和解されぬままエンドロールになります。
多分、きれいに終わらないから歯がゆいと思う人もいると思います。
しかし、写真のこのシーン↑
渡辺いっけいさん一家はあまりお隣さんである自閉症の忠さん(ちゅうさん)を歓迎していません。
しかし、ちょっとした事件がきっかけで夕飯を共にすることになりました。
渡辺いっけいさん扮するご主人が、忠さんにビールを注ごうと「忠さんも」と呼びかけます。
すると、忠さんの母親(加賀まりこ)が「ありがとう、名前を呼んでくれて!」と喜びます。
この時、「あぁ、そうか」と思いました。
障害者でも外国人でも、マイノリティーの人たちを地域や役所という大きな括りに理解してもらうより、こういう一番近くの人たちに受け入れてもらうことが何より大きな安心と喜びに繋がるんだなと感じました。
短いのに、日常の一部のような映画なのに深くて温かくて、くすっとおかしくてとても良い映画でした。