40歳以上の女性だけが住める風情あるアパート若葉荘のお話です。
なぜ40歳以上なのか、シェアハウスとは違う共同生活とは、コロナの不安な時期を扱った小説です。
群よう子さんの「れんげ荘」にちょっと似ています。
この本の表紙がすごく素敵で、1ページ目だけにある絵もすごく素敵です。
(中の写真って載せて良いんだろうか?)
シェアハウスが「多国籍でみんなでワイワイ交流」なら、わかば荘は他人の人生を思いやれる「そっと離れたり、ふわっと近づいたり」できる人たちの集まです。
小説の中に、
「最低賃金で働き、生活保護よりも少し多いくらいの月収で、振り落とされてしまわないように毎日の生活にしがみついている。そのしがみつく手の力を少し緩められる場所が若葉荘だった」(-p273)とあります。
コロナの先行きの見えない不安や女性の働き方問題なども扱っているのですが、表紙のイメージ通り重すぎずハッキリとは答えを出さず、良い方向に向かって書かれた読み心地がとても良い本でした。