この本めちゃくちゃ面白かった。
内館牧子さんの高齢者小説(と宣伝されてます)シリーズの一作なのですが、70歳になった主人公夏江が「生まれ変わっても夫とまた結婚するか」な話です。
夫を落とすための昔話がめちゃめちゃ面白くて、「口では忖度、心では毒舌」の夏江のキャラが最高で「いくつになってもチャレンジ」「始めるときが一番若いとき」という前向きさをせせら笑う夏江が自分とそっくりでワロタw
良い感じに擦れている夏江ですが、やはり自分の人生を見出すには前向きさとチャレンジ精神が後押しするということに気づきます。
人生何が起きるか分からないし、あの時の選択の結果は未来にならないと分からないから最良の決断をしたい。
でも、それにはどうしたらいいの?という迷いは、どんなに歳を重ねて経験が増えてもなくならないということなのでしょう。
相方さん(同僚)が旦那さんの話をするとき、「あの時、あの事がなかったら結婚しなかった」「あの時言われた発言のもやもやをほっておかなかったら」という、ちょいちょいの後悔発言がこの本の主人公のまんまで、そこもおかしかったのですが、もし「あの時の選択」を時々思い出すことがあるなら夏江の経験を読んで「こんなもんか」と思えるかもしれませんね。