この青いスーツケースを使う人に、なぜか幸運が訪れる不思議な旅物語。
9人の人生と旅が書かれており、その中のバックパッカーな旅を好む女性の話に大いに共感する部分があった。
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この女性は、高級なホテルに泊まったりショッピングを楽しむより、ラフな格好でバスに揺られて安いドミトリーに泊まる旅を好むいわゆるバックパッカータイプ。
そんな彼女が、彼氏にサプライズな旅をプレゼントされる。
アブダビで高級なホテルに泊まり、ホテルのレストランで食事をしベタな観光地を回る彼のプランに彼女は不満を隠しきれない。
そんな彼女に怒った彼は言う。
「(君は)あそこに行った、ここにも行ったと、旅行経験が豊富なことを自慢する」
キレた彼が、彼女を置き去りにしこう言い放つ。
「そんなに旅の経験が豊富なのが自慢ならば、そこからひとりで帰ってくればいい。できるんだろう。いろんな国を公共交通機関を使って旅したんだろ?そんな程度のことで(中略)いい気になるんじゃない」
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小説の中では、彼が悪者なんだろうけど私この彼氏にメチャメチャ共感した。
彼女みたいな人いる!
自分の旅の仕方にこそ意味があって、他人の旅を見下すやつ
バックパッカーな旅をバカにするのもどうかと思うけど、他人の旅を評価するって何様なんだろうね。
旅経験が豊富な人って、自分が好む国に偏りがあることに気づかない。
欧米が好きな人はアジアに興味ないし、韓国ドラマが好きな人はアメリカドラマを見ない。
そんなに海外を語るならもっとマルチになれよって思う。
と、人の旅の話ほど面白くないと気づいた私は、悪者彼氏に共感たのでした。