前回、垣谷美雨さんの「あなたの人生、片づけます」をご紹介しましたが、
同じ垣谷さんの「後悔病棟」を読みました。
人の感情に鈍感な医師ルミ子は、末期患者を前にいつも余計な一言を言って患者を怒らせてしまう。
そんな時、茂みの中で人の心の声が聞こえる不思議な聴診器を拾う。
人は死を目前に、人生の「あの時」をやり直したいと後悔する。
不思議な聴診器を使い、ルミ子と患者は「あの時」を一緒にやりなおす体験をする。
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この本の面白いところは、不思議な聴診器を使うファンタジーなところではなく、「あの時」をやり直してみた結果です。
「あの時、あの選択をしていたら自分の人生は変わっていたのではないか」と思いたいところですが、実は、別の選択をしても人生は好転しないという「既に分かっていた」事実を知ります。
あの時の選択に後悔があれば、「あの時の選択は間違っていなかった。だって、その時に一番最良の選択をしたんだから」と思い起こせるはず。